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Date: Fri, 29 May 2020 23:22:14 +0900
From: 掛園 浩 
Reply-To: publichealthnetwork@umin.ac.jp
Subject: [PHNetwork:001138] 熱中症予防について
To: publichealthnetwork@umin.ac.jp (PHNetwork)
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佐賀県の掛園です。

熱中症予防について

 熱中症は身体の体温が上昇する病気です。熱中症になった人の血液検査をすると脱
水症状と低ナトリウム(食塩不足)の症状がみられましたので、熱中症予防には、塩
を含んだこまめな給水が必要だと考えられていました。

しかし、5分おきにスポーツドリンクを飲んでいたにもかかわらず、アメフトの試合
中に高校生が熱中症で死亡しました。このように熱中症で病院に搬送された人や死亡
した人のほとんどは、塩を含んだ水を飲んでいました。

 熱中症の原因は、塩や水不足ではなく、汗を拭きとるからです。体温が5度上昇す
ると熱中症で死亡しますが、汗を500cc気化させると体温は5度(体重70kg)下が
ります。膀胱には約500ccの水を蓄えているので、水が不足すると再吸収されま
す。

 体温が高くなると、脳は汗を出して冷却するように指令を出します。その汗を拭き
とると、体温が下がらないので、ますます汗を出します。汗が出た場合には団扇や扇
風機などで汗を気化させると体温が下がります。

 体温が上がり過ぎると、身体の機能を正常に保つ事が出来なくなるので、腎臓等の
機能が低下して、脱水症状や低ナトリウムなどの症状が出効きます。これを熱中症の
原因と勘違いしたのです。

 日本の夏の暑さは他の暑い国に比べれば凌ぎ易い方です。インドでは50度を超える
事もあります。この国の人達が熱中症になりにくいのは、流れるような汗ではなく、
皮膚を湿らせて効率よく冷却するようになっているからです。暑い国に育った人は暑
さに強く、寒い国に育った人は寒さに強くなるよう皮膚の構造が変化します。このよ
うな適応能力は子供の頃に会得します。子供を冷暖房の整った温室で育てると、将来
屋外で仕事が出来ない身体になってしまいます。温帯気候から亜熱帯気候に変化しつ
つある日本の風土に適応できる環境を整えてあげましょう。