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Date: Sat, 30 Aug 2014 23:16:04 +0900
From: Toshihide Tsuda 
Reply-To: publichealthnetwork@umin.ac.jp
Subject: [PHNetwork:000176] Re: [PHNetwork:000172] Re: 福島の小児甲状腺がん確定+穿刺細胞診で悪性、103名/30万人に
To: publichealthnetwork@umin.ac.jp (PHNetwork)
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たじまさま
ご連絡ありがとうございます。
建設的な議論を行う公衆衛生関係者のメイリングリストで、何ゆえ、罵倒するような投稿をされるのか理解に苦しみますが、「公衆衛生の人の悪い癖」という言い方から公衆衛生関係者ではないことが理解できました。

10%有意というのは、5%有意に次いでよく論文で用いられます。有意レベルは研究者の任意です。むしろ注目すべきは点推定値の方です。これはICMJE(国際医学雑誌編集者会議)も指摘しているところです。小児甲状腺がんで転移した子が100人とは言わなくても相当数いるということは、このメイリングリストの会員が言っていることではなく、福島県立医科大学の外科の教授が発表していることです。

そしてこの教授も、たじまさんも、「原発影響が考えにくい」という根拠をお示しにならず、特にたじまさんは、STAP細胞スキャンダルやスポーツ新聞など、悪いイメージの単語と並列するだけで、ご自分の主張をされています。そのような手を使われても、こちらはとまどい、腰が引けるばかりです。取り急ぎご連絡もうしあげます。
津田
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
甲状腺がんの子供「原発影響考えにくい」 福島の検査で学会
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG2803U_Y4A820C1CR8000/
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
福島県立医大の鈴木真一教授は28日、東京電力福島第1原発事故を受け福島県が
実施している甲状腺検査で、がんの疑いが強いと診断、手術した子供の具体的な症例を
横浜市で開かれた日本癌治療学会で報告した。

がんは原発事故の影響とは考えにくいとの見方を示した上で、過剰診断や必要の
ない手術との声が上がっていることに触れ「基準に基づいた治療だった」と強調した。

福島県の甲状腺検査は震災発生当時18歳以下の約37万人が対象。これまで甲状腺がん
と確定した子供は57人、「がんの疑い」は46人に上る。子どもの甲状腺がんが急増した
1986年のチェルノブイリ原発事故と比較し、鈴木氏は「症状も年齢分布もチェルノブイ
リとは異なる」とした。

がんの57人のうち県立医大が手術した54人について、8割超の45人は腫瘍の大きさが
10ミリ超かリンパ節や他の臓器への転移などがあり、診断基準では手術するレベルだった。
2人が肺にがんが転移していた。

残る9人は腫瘍が10ミリ以下で転移などはなかったが、7人は「腫瘍が気管に近接し
ているなど、手術は妥当だった」。2人は経過観察でもよいと判断されたが、
本人や家族の意向で手術した。

手術した54人の約9割が甲状腺の半分の摘出にとどまった。

福島の甲状腺がんをめぐっては一部の専門家から「手術をしなくてもいいケースが
あったのではないか」との指摘があり、患者データの公開を求める声があった。〔共同〕
(2014/08/29 17:19), Toshihide Tsuda wrote:

 原発に近い地域は多くの住民が避難しています。避難していない地域で原発に
> 最も近い地域と会津地方では、小児甲状腺がんの頻度に2.19倍の違いが見られ
> 10%有意に近いです。相馬地方と比べると統計的に有意です。ましてや日本全国
> の発生率と比べれば桁違いに高く、これをスクリーニング効果で片付けられるの
> であれば、それこそ医学史に残る知見です。また、手術された症例を見ると手術
> 適応の患者がほとんどを占めます。
>

「10%有意に近い」と言うのは、p<0.10で検定しても棄却される(有意差がまる
でない)という意味ではないのですか? 統計学の教科書はp<1%や5%で検定する
のが普通で、10%に近いなんて自分の主張に都合が良いようにデータを操作する
のは、公衆衛生の人の悪い癖です。

そもそも小児甲状腺がんで転移までした子が100人もいると言うなら、みせて
みろよと世界中のお医者さんが思っているはずで、誤診は絶対にないのでしょう
か? かつて世間を騒がせた大野病院事件は、院長以下ほとんど全員が福島県立
医大出身の病院がしでかした事件であることを忘れてはいけない。

このようなことでは、
「STAP細胞はありま~す。200回つくりましたあ。」とさけんだ女と、
「原発で甲状腺がんはありまーす。100人みつけましたぁ。」と言う人と、
一体どれほどの違いがあるのでしょうか。功を焦ってよく調べもせずに大げさな
ことを言うと、恥をかくだけでは済まなくなりますよ。リケンのように。
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たじまさま
 ご連絡ありがとうございます。
 建設的な議論を行う公衆衛生関係者のメイリングリストで、何ゆえ、罵倒するような投稿をされるのか理解に苦しみますが、「公衆衛生の人の悪い癖」という言い方から公衆衛生関係者ではないことが理解できました。

 10%有意というのは、5%有意に次いでよく論文で用いられます。有意レベルは研究者の任意です。むしろ注目すべきは点推定値の方です。これはICMJE(国際医学雑誌編集者会議)も指摘しているところです。小児甲状腺がんで転移した子が100人とは言わなくても相当数いるということは、このメイリングリストの会員が言っていることではなく、福島県立医科大学の外科の教授が発表していることです。

 そしてこの教授も、たじまさんも、「原発影響が考えにくい」という根拠をお示しにならず、特にたじまさんは、STAP細胞スキャンダルやスポーツ新聞など、悪いイメージの単語と並列するだけで、ご自分の主張をされています。そのような手を使われても、こちらはとまどい、腰が引けるばかりです。取り急ぎご連絡もうしあげます。
                                                       津田
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甲状腺がんの子供「原発影響考えにくい」 福島の検査で学会
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG2803U_Y4A820C1CR8000/
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 福島県立医大の鈴木真一教授は28日、東京電力福島第1原発事故を受け福島県が
実施している甲状腺検査で、がんの疑いが強いと診断、手術した子供の具体的な症例を
横浜市で開かれた日本癌治療学会で報告した。

 がんは原発事故の影響とは考えにくいとの見方を示した上で、過剰診断や必要の
ない手術との声が上がっていることに触れ「基準に基づいた治療だった」と強調した。

 福島県の甲状腺検査は震災発生当時18歳以下の約37万人が対象。これまで甲状腺がん
と確定した子供は57人、「がんの疑い」は46人に上る。子どもの甲状腺がんが急増した
1986年のチェルノブイリ原発事故と比較し、鈴木氏は「症状も年齢分布もチェルノブイ
リとは異なる」とした。

 がんの57人のうち県立医大が手術した54人について、8割超の45人は腫瘍の大きさが
10ミリ超かリンパ節や他の臓器への転移などがあり、診断基準では手術するレベルだった。
2人が肺にがんが転移していた。

 残る9人は腫瘍が10ミリ以下で転移などはなかったが、7人は「腫瘍が気管に近接し
ているなど、手術は妥当だった」。2人は経過観察でもよいと判断されたが、
本人や家族の意向で手術した。

 手術した54人の約9割が甲状腺の半分の摘出にとどまった。

 福島の甲状腺がんをめぐっては一部の専門家から「手術をしなくてもいいケースが
あったのではないか」との指摘があり、患者データの公開を求める声があった。〔共同〕

(2014/08/29 17:19), Toshihide Tsuda wrote:

 原発に近い地域は多くの住民が避難しています。避難していない地域で原発に
最も近い地域と会津地方では、小児甲状腺がんの頻度に2.19倍の違いが見られ
10%有意に近いです。相馬地方と比べると統計的に有意です。ましてや日本全国
の発生率と比べれば桁違いに高く、これをスクリーニング効果で片付けられるの
であれば、それこそ医学史に残る知見です。また、手術された症例を見ると手術
適応の患者がほとんどを占めます。

「10%有意に近い」と言うのは、p<0.10で検定しても棄却される(有意差がまる
でない)という意味ではないのですか? 統計学の教科書はp<1%や5%で検定する
のが普通で、10%に近いなんて自分の主張に都合が良いようにデータを操作する
のは、公衆衛生の人の悪い癖です。

そもそも小児甲状腺がんで転移までした子が100人もいると言うなら、みせて
みろよと世界中のお医者さんが思っているはずで、誤診は絶対にないのでしょう
か? かつて世間を騒がせた大野病院事件は、院長以下ほとんど全員が福島県立
医大出身の病院がしでかした事件であることを忘れてはいけない。

このようなことでは、
「STAP細胞はありま〜す。200回つくりましたあ。」とさけんだ女と、
「原発で甲状腺がんはありまーす。100人みつけましたぁ。」と言う人と、
一体どれほどの違いがあるのでしょうか。功を焦ってよく調べもせずに大げさな
ことを言うと、恥をかくだけでは済まなくなりますよ。リケンのように。